NAO




 下を確かめるように歩くと、暗さに目が慣れてきたみたい。


 微かに見えるのは…ベッド。早まる心臓の音ー…。


 ナオがいるんだと確信した。


 一歩…二歩…ベッドに近づくと、そこには…月明かりに照らされたナオの顔。


 やっと…やっと…会えたー…。


 嬉しさで涙が流れる。声を押し殺しながら…震える手でナオの頬に触れたー…。



 「あったかい…」



 ポツリと呟いてナオの温もりを感じたー…。


 ずっと…感じれなかった温もりーー。