中庭を歩いていると…。



 「そこにいるのは誰!」



 懐中電灯をあたしに向けて言う人。眩しくて誰か分からなかった。



 「愛…ちゃん?」



 そう言って来るのは…。



 「古賀…さん?」



 と呟くと古賀さんはあたしの側に来た。



 「愛ちゃん、こんな所で何やってるの!」



 小声で話す古賀さんは驚いている。



 「ごめん…どうしても…ナオに会いたくて…」



 あたしは下に俯いて話す。



 「愛ちゃん…そこまでして直樹君の事…」


 「好きだよ。ナオと話したい…会いたい…ナオに…触れたい…」



 泣きそうになる声ーー。