NAO




 「その日ね、あまり顔色も良くないのに早く学校に行ってね。」



 屋上…学校…。


 おばさんの言葉にあの日が頭によぎった。


 屋上であたしをフッたあの日ー…。



 「先生方の話によると…朝、屋上で誰かと話して…その時発作で倒れたの。」



 誰かと話してた…もしかして…あたし?



 「その時、たまたま屋上に来た先生に見つかってすぐ病院に運ばれたわ。」



 話を聞くあたしはゴクッと喉を鳴らした。



 「その時は大丈夫だったの。だけど…あの時…屋上から降りてくる生徒を見た先生がいたの。その先生が…あなただったと言っていたわ。」



 おばさんの話に、あの日の事だと確信した。