「あぁ。実はね…昨日の夜中に体調が悪くなって、今は別の病室に移っているよ。」


 「体調って…ナオは…ナオは大丈夫なの!?」


 「大丈夫だよ。病室だったら看護婦さんに…って愛ちゃん!」



 あたしは、おじさんの話を最後まで聞かずにナースステーションに向かった。



 「すいません!ナオ…ナオの部屋を教えて下さい!」



 叫ぶように言うと、椅子に座っていた古賀さんが驚いた顔をしている。


 何か書いていたのか、持っていたペンをポロッと落とした。



 「愛ちゃん…」


 「古賀さん…ナオの部屋は!」



 人の少ないナースステーションに響く声。