「ナ…オ…」



 目を大きく見開いて呟いた。


 どうして…どうしてナオがここに?


 あたしはワケが分からない。


 それに…今まで…忘れていたのに…どうして…出てきたの?



 「ナデシコ、大丈夫か?」



 いつもと変わらない声にあたしの頭は真っ白だ。


 あたしはナオの顔をジッと見つめた。



 「何?俺の顔に何かついてるか?」



 ナオは、何事もなかったように話してくる。


 そんなナオにムカムカした。


 だって…あたし1人キズついて…苦しんでいたのに…。


 ナオは平然としている。