男子は傘を開くと、すぐ走り出してこの場からいなくなった。




さっきから変わらないはずの、雨なのに

私はなぜか、不思議な気分になっていた。


ひさしぶりの雨のせい?それとも・・・


「夏実、今の会話は超青春だったよ~!」
と、あかねの声が思考を遮る。

「まじかよー」
とおどけてみせた私に、

あかねはいきなりマジな顔になって、

「さっきの男子、結構女子人気高いよ!

夏実、ねらっちゃう?」


とか言い出した。

「あははーいいかもねー」
なんて、ついついおふざけで答えちゃった。

自分、身の程をわきまえろ!