「立花さん」 ふと、後ろから声がかけられた。 あかねはその人をにやにやと見つめている。 その仕草で、誰だかわかった。 私が振り返ると、 この前折りたたみ傘を貸した男子が一瞬たじろいだ。 「傘、ありがと。かなり助かったよ」 「イエ、どういたしまして」 私もなぜかはにかんでしまった。 そして、傘を受け取ろうとした瞬間、 2人の手が触れあう。 「「あっ!」」 ・・・ガコン!