梅雨入り、一日目の学校。

「なつみぃー、梅雨だってさぁ、憂鬱になんない?」
あかねは机に突っ伏している。

「そう?私は毎日楽しみだよ。雨すきー」

「まったく、夏実ってば。」
ふてくされた表情のあかね。

さらに、ほっぺたをぷくっと膨らませる。

「でも、雨で部活無しだとストレス溜まるんじゃない?カラオケとか行く?」

そう言うと、あかねはがばっと起き上がりにやにやした笑みを浮かべた。
この笑顔は、冗談が次にくる合図。

「夏実、雨好きなら長靴買いにいこっかぁ~」

「遠慮しますわ、おほほほほ」

なんという返し方、そう誰かが言った気がした。