―――キーンコーン 「渉ー、起きんしゃーい」 ふざけた言い方の颯人の声で目を開ける。 「んあー…?」 「チャイム、鳴りましたぞよ?」 「なんだその言い方」 「あははー、おもしろいー?」 「全く」 「ええー」と言いながら、颯人はわざと頬を膨らませた。 (たりいな…) 立ち上がり、だらだらと歩く。 そんな俺の背中を颯人がパシンと叩く。 「だらしないっ!!」 (疲れる…)