昇降口まで来たとき、颯人が言った。



「渉、どこ行くんだっけ、お前」





(またかよ)


「大丈夫、部活」



颯人は安心したように微笑んだ。


「うん、ならいい」






毎日のようにこの質問をされ、俺は毎日同じ答えを出す。


そのまま、会話もないまま、靴を履き替えて校庭へと出た。