金貨5000円は、男の手の中で輝きます。
血のように 赤く輝く金貨が 5000円。
男は なでまわし こねまわし、
なめるように 金貨をながめ、
よだれを流さんばかりに、笑います。
いつまでも いつまでも…

こんなふうに、おかねは、買い物に使われるのをやめるとき、
懐で眠りについて、ためこまれ、かかえこまれたおかねになります。
村に欲深な男が現れて、おかねがどこかへ消えていきます。
あのおかねはどこへ、いったのでしょう。