「友達から聞いたんだけど、


1年の新井幸あたりがあやしいらしいよ。」





「えっ、でも、その子って確か、


一ノ瀬と付き合ってんじゃなかったっけ?」




「まぁ、よく分かんないから行ってみよう!!」



彼女がよく行くという屋上に向かうと



ショートカットの女子と男子2人がいた。




「うわぁっ!?上村と相笠!?」



一ノ瀬があたしたちを見てビックリする。




女子ともぅ一人の男子は硬直状態。


まぁ、あたしたちを見たら誰だって驚くよね。


(私立では滅多に見られないギャルですから。)



「なー、新井さんって一ノ瀬と付き合ってんの?」


「そーだよっ。」


答えたのは新井幸ではなく一ノ瀬だった。




「なんか文句あんのか?」


「そー警戒すんなよぉ。


ユキナたちは武田広貴について聞きに来ただけ。」



ユキナは優しい口調で言う。



「広にぃがどうかしたんですか?」



もぅ一人の男子が聞く。


確か…南葉輝って名前じゃなかったっけ?



イケメンくんの名前を覚えるのは得意だ。



(一ノ瀬もイケメンの中のイケメン。


ヒロも負けてないけどね。)




「ねぇ、南葉くん。ヒロの元カノのこと知らない?」


あたしは地面に座り、ズズズっと顔を近づけた。



「えっ…あっ…しっ知りません…っ」


南葉くんは戸惑いながら顔をそむける。




「相笠、ヒカルを誘惑すんなよ。


ヒカルは純粋なんだからさ。」



一ノ瀬は呆れて言う。




あたしは舌打ちして南葉くんから顔を離した。




「じゃあ、知らないならいいや。


もぅ用はない。ユキナ、他を当たろう。」




あたしたちは屋上を後にした。




結局、新井幸とヒロのは噂だったのか。



でも、あの新井幸って子、一言も喋らなかったなぁ。



おとなしかった。



そんな子が一ノ瀬と付き合ってるなんてちょっとビックリした。