「そしてさ…」
峻太は残りのジュースを勢いよく飲み干して言った。
「そしてさ、蒼衣、俺の道をこれからも蒼衣に見ていてほしいと思ってる。
ただ、俺を見ていてほしいんだ。
そして、俺が宮ゴリのような男になったら…
宮ゴリ以上の男になるから…お前は俺の大切な人だから…俺を見ててくれ」
『峻太…』
ドキドキして峻太の顔を見ることができない。
でも、見なくちゃね。
こんなに私のことを思ってくれているんだもん。
「はぁー、緊張する。また、汗出てきたぜ。でも、どうしても宮ゴリにも俺の蒼衣への気持ち、聞いてほしかったんだ」
真っ赤になった峻太は頭からタオルをかぶり、あちぃーと言いながらゴシゴシとタオルで顔を拭いた。
「いいぞ、峻太。お前、俺以上の男だぜ。
俺、そんなこと言えねーもん。蒼衣、見てやれ。しっかり峻太を見てやれよ。
それからでいいんだ。ゆっくりな、ゆっくりでいいんだ。大切な人になるのは…なっ」
先生はやさしい笑顔でそう言いながら私にボールをパスした。
『…うん…』
久しぶりのボールの感触…
『峻太…』
「あっ?」
峻太が振り向いた。
いつもの笑顔、いつもの声…いつもの峻太…そう、私の大切な峻太…
『峻太、これからもよろしくねっ…』
そう言って、私はボールをパスした。
「ナイスパス、ありがとな、蒼衣」
ボールは峻太の手から、蒼空に向かって放たれた。
「ナイッシュッ!」
先生と、峻太、私の声が響いた。
心地よい風がこれからの私達の進む道に向かって優しく吹いていた。

