「本当はさ、蒼衣の気持ちは気づいていたんだ。
俺さ、教師失格だって言ったことあっただろ。
もし、あいつがいなければお前のことが大切な人になってたかもなって…
それに、蒼衣の優しさに癒されたいって正直思っていたところもあるしなっ。
インターハイの前の日に蒼衣、俺の手を取っておまじないしてくれたよな。
すごくうれしくて家に帰って話したんだ。
でもさ、そん時の俺の気持ちは蒼衣の優しさと蒼衣へ愛おしさで一杯だったんだ。
あいつはそんな俺の気持ちに気付いたんだよな。
なのに私は平気だからって笑顔で言ったんだ。記念日はいつでも祝えるって。生徒たちとは1年1年だから大切にしてあげてって…
俺、ホントにバカだよな。お前の気持ちもあいつの気持ちも、何にもわかってなかった。」
何も言えないまま、風が木々を揺らし静かに先生との間に流れていった。
「俺さ、あいつの優しさを素直に受け入れられない時があってさ…愛しているからこそ、辛くてな…」
先生は真っ青な空を見上げて言った。

