「さっきって、試合のことか?バス出発は朝5時発なんだ。俺、早起き苦手なんだよな。アラームの音も嫌なんだ…あっ、でもその日は開会式と練習だけで次の日から試合なんだけどさ。なにせ、遠いからな」
先生は車のトランクに荷物を入れていた手をとめ、私を見つめた。
「あれ、そういうことじゃない?」
『…うん。なんて言うか、先生の大切にしている時間は大丈夫なのかなって…ごめんなさい。変なこと言って…』
「ありがとな、心配してくれて。お前にはなんだか俺のこと見透かされちゃいそうで嘘は
つけないな。峻太達との夢がもうすぐそこまで来ているんだ。あいつらも本当に今まで頑張ってきたからな。俺も全力でやってきた。でもさ、夢を追うってことは何かを犠牲にしてしまうこともあるんだよな」
『先生…』
思わず言葉につまってしまう。

