「バカじゃん。逃げてどうすんのよ?」


「だって……」


「もう一回真里亜の気持ち伝えて、先輩の気持ちも聞きなさい」


そんなことしても、あのときみたいに笑ってくれないよ?


告白なんてするんじゃなかった。

こんな気持ちになるぐらいなら、止めておけばよかった。


恋がこんなに辛いことだなんて、知らなかったよ。




亮佑くんのこと、こんなに好きになるなんて全然知らなかったよ…。




「いいからとりあえず携帯の電源入れなさい。持ってはいるんでしょ?」


「……うん」


渋々鞄の中から携帯を探る。