「だ、だって〜」


ポロポロ零れる涙。

泣くなよ…泣いてたら……


「はぁ…コイツだけは……」


"コイツだけは俺が守らないと"って思うじゃん。


「わわっ」


左手で真里亜の右手を掴んだ。

ちっせぇし、細いし……心配が増える。




「俺は!!真里亜だけの王子だからっ」


「ふえ?」


「だからもう泣くなっ」


…………。

く、くせぇ〜!!

どこのバカの台詞だよ!!


「あは…王子じゃなくて、王子様だもん」


俺の気持ちも知らねぇくせに……コイツは…。


「はあ!?お前なあー…ん?」


言い返そうとしたけど、左手の反応に思わず顔が緩んだ。

目が合った真里亜も笑顔だった。




何だ…俺らもうちゃんとした恋人じゃん?