「あたしの王子様はね、背が高くて、笑うとかわいいんだけど、かっこよくてね?おもしろくて、優しくて、あとー……」


「はいはい、もうわかったから。理想高すぎ。そろそろ仕事しなきゃ怒られるよ」


「も〜、ちゃんと聞いてよねー」


歩き始めた麗奈に続く。


時計を確認。

よし、あと1時間でバイト終わりだ。




「いらっしゃっいませ〜」


「2名様でしょうか?」


お客さんが入ってきたみたい。


あと1時間で終わりなのに、今日はお客さん多いなぁ。

そう思いながら、ドアの方に目を向けた。




ドキッ




え?


「王子様…?」