「なんですか?」
桐島は振り返り、微笑んだ。
「これ、ホントか」
「ええ、もちろん。嘘ひとつありません、全て真実です」
俺は持っていた書類を机に置き、息を吐いた。
「‥‥奴らから連絡は」
「今のところ全く」
立ち上がり、
「ですから‥って、坊ちゃんどちらへ?」
桐島の横を通り過る。
「散歩だ」
バンっ!!
奴の言葉を最後まで聞くことなく、デカい音をたて、部屋を出た。
ドアは開いたまま、部屋には桐島ひとりとなった。
「散歩、ですか‥」
すると桐島はクスっと小さく笑い
「いくら気が強くても、やはり苦手なモノもある。彼女も、“女の子”ということです」
そう誰に言うでもなく独り言のように呟き、机に置かれた書類を丁寧に揃えていくのだった。

