どこまで不器用なんだ‥コイツ 割れた食器より、この慌てる女にばかりに目がいく。 青くなったり、恥ずかしいのか赤くなったりとコロコロと表情が変わる。 「で」 声を出すと、一瞬美鈴の肩がビクついた。そして 「‥‥‥」 俯いたまま、何も言えないでいた。 さっきまでの威勢はどこにいったのか‥ 今までなら刃向かうとこ、今コイツは黙りきっていた。 「なんでこうなるわけ」 見下ろしながら言うと 「‥なんででしょう‥‥」 目を泳がせながら、半笑いで言ってきた。