また下唇を噛み締める。
喉が痛い
ヤバイ‥
泣きそうになるのを必死に耐えた。
お互い無言の中、
奴は逸らすことなくあたしの方をずっと見ている。
そんな真剣な瞳の奴からあたしも、
顔を逸らすことができなかった‥‥
沈黙した空気が辺り一帯に流れる。
すると
「下がれ」
そう言って奴は黒づくめの一人に視線を送る。
それを受け、黒づくめの一人は頭を下げると集団が一斉に動き、この場を去って行った。
黒づくめ達が去ると、この場には
あたしと奴の二人だけになった。
また、沈黙が走った。
なんとなく、居心地が悪い。
「俺は‥」
急に発された声に反応して、俯いていた顔をあげた。
そこには
「俺は同情なんてしたつもりはねえ」
奴の真剣な目があった。
今までにない真剣な目。

