「い、いない‥」 「ここは行き止まりだ。逃げ道なんてあるはずかない。途中、どこかで道を間違えたのかもしれない」 「捜せっ!なんとしても見つけだすんだ!!」 はっ!と了解の言葉を最後に、黒ずくめの足音は散らばり、遠さがっていくのだった‥‥ 「――もう、いいかなぁー」 「んん、んーーー!!!」 「はい、はい。今どけるから♪」 「っは‥!!」 後ろから口をおさえていた手をやっと外され一気に息を吸う。 「ゴメンね♪」 なんの悪びれもなく、あたしから手を離した彼は言う。 だ、誰‥‥!?