そして奴は微かに笑いを残しながら、ゆっくりとベットから立ち上がり
「後はいいから、下がれ」
「はいっ、承知しました!」
奴の声を聞き、バン!とドアを閉め黒ずくめの男達は姿を消した。
静まり返る部屋の中
嫌な予感
こ、この男‥‥っ!
「ちょ、あんた‥‥!」
「ほら、手」
あたしの言葉を遮り
座りこむあたしに奴は中腰となり手を延ばしてきた。
「う゛っ!」
強い力で腕をひかれ、体ごと壁に追い詰められて、逃げられないよう潤弥は壁に両腕をつき美鈴の体を中に閉じこめてしまった。
「甘くみんなよ」
美鈴は無言で顔を引き攣らせていた。
甘くみてました‥
この男がそう簡単に手なんか貸してくれるわけないよね‥
期待した自分最悪だ‥
優しい言葉とともに降りてきた手をつかむと、それは悪魔な言葉と強引な力でしかなったのだ。
完全な捕獲状態
「そんな顔でよく言えたもんだな。自分で体フラフラしてんのわかってんのか」
ば、バレてるっ‥!?
するといきなり顎をつかまれ、
「なんなら、キスでもして体温確かめてやろうか」
「さ、触るな寄るなくんな変態ーーっ!!!!」
前言撤回です‥っ!!
感謝なんて、ありがとうなんて、コイツに必要ないっ!!
そう固く思ったのだった

