―ギシ‥
腕の中からゆっくりと降ろすと、ベッドは軋む音を出した。
さっき同様に、息を吐き、彼女へと手を延ばす。
「我慢、するなよ‥」
そう言って、美鈴の目の涙を手で拭った。
泣いてる姿さえ、見せることを許さない。
甘えることも、頼ることさえしない。
当たり前、か‥
小さく笑うと、
「おやすみ」
そう一言だけ残し、彼は部屋を出た。
静かな彼女が、潤弥にとっては、つまらなくも感じた。
だか、何故か少し笑えた。
あんなに激しかった雨も雷さえも、嘘のように姿を消していた。
まるで嵐が過ぎたように、静かな夜となった。

