深夜のレジは男性店員である。


『あっ!こいつはやたら元気の良い店員だ!しまった。こいつ、いちいち読み上げてレジ打つんだ。』とナオが思った時はもう遅かった。


「いらっさぃませー!メロンパン一点朝の乳牛…じゃなく牛乳一点、パチンコ攻略本一点!!以上で999円になりま~すっ!」


『あちゃ~また今夜は一段と元気だわ、しかも大声で…でも999円って…確かこれって確変数字?これは運命なのね』何故か機嫌良くなるナオ。
アパートに帰ると、早速雑誌を広げ夢中で読む。


『ふ~ん、やっぱりパチンコで生活してる人って居るんだ。ボーダー?継続率?よくわかんない?でも銀の玉がたくさんでればお金になるんだよね~あっ~後一週間で仕事は終わり。それから稼ぐぞー!』


もはやナオの頭には負ける事は頭にない。それでいいのか?いゃ、一つの事に燃えだした若者は、もはや聞く耳持たずである。


やがて、最後の仕事の日が来た。
一通り職場の人間に挨拶し退社。


『終わったー!明日から私はパチプロと呼ばれるんだわ。なんて良い響き。』
自己満足、自意識過剰なナオだった。
帰り道、コンビニは避け書店でパチンコ雑誌を買い込むナオ。そして…