奏真の部屋をノックし、中に入る。
「奏真。ちょっとィィ?」
「なに?どうした?」
「ぶっ飛ばしてィィよ。私んトコ…」
「…はぁ!?」
奏真は意味がわからんと、肩を竦める。
「…あのね、夕兎撃ったのうちの奴だったんだって…」
慧斗は悲しいような、怒ってるような顔をしていた。
「…じゃぁ、遠慮なく…
目ぇ、つむって歯ぁ食いしばれ」
慧斗は言われた通り、目をつむって、歯を食いしばる。
バチーンって音がする。
慧斗の口の端から血がでる。
慧斗は目を開け、頭を下げる。
「うちの者が申し訳ありませんでした」
「………。
もうィィよ」
慧斗の頭を上げさせると、チュッと、口の端にキスをして、血を舐める。
「ごめんな。痛かったろ?」
「ん〜ん、平気」
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