慧斗は上着を脱ぎ破り、止血をする。
そして、横に寝かせ頭を膝の上にねかせる。
手で圧迫するが止まらない。
「…夕兎…」
バタバタと組員がやってくる。
「慧斗様の指示を受けるように言われました。
私、舎弟頭の和と言います。指示下さい」
「…わかった。
攸真様と奏真の警護を。
このことはまだ内密にしておきたいから、今まで通りに振る舞って。
ただ、警戒は怠る事のないように。
…人選はあなたに任せます。信用していいのですね?」
「はい」
「わかりました。この組の裏医者は?」
「ボスが連絡いれてくれてます」
「わかった。案内して。
…そこの二人、夕兎運んで。んで、あなたは車の用意して」
慧斗の指示が飛び、和が人選した者を警護にむかわせると、慧斗は
「…後の事は頼みます。
一人で判断が難しいときは攸真様の指示を仰いで下さいね」
言い残し、その場を後にする。
慧斗は圧迫したまま、車に乗り込む。
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