今では施設もだいぶ軌道に乗ってきた。


あの決意の後、将嘉さんから返事があった。

「春都を婿によこす事を条件に慧斗ちゃんの策にのるよ」

この言葉をきっかけに事態は急激に変化した。

幹部たちにこの計画を納得してもらい、皆で案を詰め込んだ。
毎日が怒涛のように過ぎていった。

私がヘルパーの資格を採り介護施設で働く。後を追うように春都、春眞、幹部達が先陣をきる。

私は施設で働き、たくさんの人に出会い、笑い、泣き、時間を過ごした。仲良くなっていくたび、その人に訪れる『最期』に心が痛んだ。

たった一言の『ありがとう』に救われる。
その一言の為に毎日を頑張る。

あるじいちゃんに言われたんだ。

『極道だかなんだか知らんが、わしらから見りゃ、世話になってるわしがお前さんでよかったと思ってるんだ。

極道とかそんなんは関係ないんだよ。そもそも、ヤクザ=極道なんてきまっちゃいねぇだろ?』


ああ、私間違ってないんだなって思えた。


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