翌朝、慧斗は1人雪のもとを訪ねた。
チャイムを押すと、中から幸恵が出迎えてくれた。
「いらっしゃい。さ、あがって?」
「おじゃまします」
幸恵に案内されリビングに行くと将嘉(まさよし・雪の父)がソファで新聞を読んでいた。
「おじゃまします」
「…おはよう。消毒ちゃんとしてるか?」
「おはようございます…まあ…ぼちぼち…?」
ため息をつき、慧斗を手招く。
「ここに座って」
「…はぃ…」
将嘉の隣に座る。
慧斗が座ると、既に幸恵によって、ガーゼや消毒などが準備されていた。
「しみてもなくなよ」
将嘉は笑う。
「えっ……」
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