部屋に入ると、 「おかえりなさい」 「あっ。おけぇりなさいやし」 皆が口々に『おかえり』と言った。 「「ただいま」」 奏真と慧斗はこの上ないほどの笑みを浮かべた。 「若。遅いっすよ!! …どーせ、お嬢といちゃついてたんでしょう?」 漣が笑う。奏真は目を逸らして、 「まぁ……否定はしない」 「しないのかよっ」 慧斗がつっこむ。 「さぁさぁ、そろそろ座りなさい」 芙月が窘める。 「「はぁい」」 素直に席につく慧斗と奏真。 .