「芙月。基本的にこっちにいてょ」 慧斗が言った。 「え?」 芙月がきょとんとする。 「だから、ずっとここにいて」 慧斗がもう一度言う。 「良いんですか?」 芙月が不安そうな顔をする。 「良いんですか、も何も自分の家でしょうに…」 慧斗は呆れた顔をしてみせる。 芙月は涙がとめどなく溢れた。 「………………ありがと」 「おかえりなさい。お姉ちゃん」 「…………ただいま」 .