慧斗は羽織っていた打ち掛けを脱ぎ、戦闘体勢になった。
「…龍葵組、当主葵慧斗。参らせて戴く」
片膝をつき胸に手をあて、頭をさげる。
それは、敬意と希望を意味する、龍葵組の最高級の礼をとる。
そして、一歩また一歩と間合いをつめる。
悠真は慧斗を見て、『負ける』と思った。
慧斗は悠真の一瞬の隙を見逃さなかった。
華麗な就きを鳩尾に入れる。
「ぐっ」
悠真は呻く。
さらに、そのまま一本背負いをする。とどめに、手刀で首筋につける。
時間が止まった気がしたのは、きっと、奏真だけではないだろう。
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