「…尋」
後ろに控える幹部達の中のひとり尋。
「はい」
「よく見ておけ!!お前達もよく見ておけ!!
…これが、今回の代償だ。まだ意識の戻らぬ者もいる。
私たち力のあるものが力の奮い場所を間違えば関係ない者も巻き込まれるんだ」
慧斗の言葉が、尋には痛かった。
「…人の痛みがわからん奴はこの組には要らない」
春都は悠真にやられぼろぼろになり、悠真も多少の傷を負っていた。
春都は渾身の一撃を放つがかわされ、鳩尾に膝蹴りが入り、倒れた。
「兄貴!!」
「春都!!」
慧斗と春真の声が重なる。春都を下げ、慧斗がでる。
「…ほんとは闘いたくはなかったけれど…
私は負けません!!負けられない!!」
慧斗が悠真を見据える。
「俺も闘いたくないよ」
悠真も慧斗を見据える。
…だけど、組の命が懸かってるから負けられない!!…
慧斗も奏真も夕兎も皆みんな大切な人がいて、その人の幸せを願っている。
僅かでもいい、もう一度皆で笑って逢いたい、そぅ願っている……。
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