「……悠真さん、私は手を抜いたり、セコい真似は絶対しません。正面から突っ込みます」
慧斗はそういって笑った。
「私達も手を抜いたりしないよ。真っ直ぐいく」
悠真も不敵に笑う。
「虎琳組智、参る」
「龍葵が春眞、参る」
智と春眞の闘いが始まる。じりじりと間合いを縮め、先に動いたのは智だった。
「うりゃっ!!」
智のハイキックをひょいっと避け、後ろに回る。
そして、首の後を優しく叩く。
「…後ろががら空きだ」
春眞がボソリと呟く。
智はかくりと、膝をついた。そして、前にまわり鳩尾に一発。
「2番手、漣。いきます」
春眞と漣の力は互角。殴っては殴られの繰り返し。
二人とも立っているのも辛くなった頃、勝敗はついた。…春眞の鳩尾パンチが漣を倒した。
.


