「お嬢、これは俺の独り言なんだけどね…
お嬢は、俺の憧れなんだ。まっすぐで傷つく痛みを知ってるから優しい。見守る強さをもっている。
まるで、昊(そら)みたいなひと……」
「……それ、わかります。慧斗は、昊みたいだなぁって思うもん」
ひょっこり現れた夕兎。
「神出鬼没だな、お前は」
特に驚くことのない洸。
「そんなことないですよ?」
「……あたしにとって、憧れは…皆だよ…
…あたたかくて、情にあつい。傷みに弱く、脆い。
…だから、いつまでも、かわらないでいてほしいと思う」
慧斗の呟くような、言葉を息をつめて、聞く。
夕兎と洸は顔を見合わせ、慧斗の頭を撫でた。
.


