「…俺さ、あの二人を見てると心が折れそうになる」
春眞が言った。
「…俺もだょ。
慧斗を想ってるし、奏真様を助け続けたいとも思ってる」
夕兎も口を開く。
「俺さ、昔、慧斗に恋してたんだ。
でも、あいつは俺のこと兄弟としてじゃなく、自分の片腕としてみていたんだ。…嬉しかった。だけど、悲しかった」
「…そうか。
俺も言われたよ。
奏真様の片腕として信じてるってさ」
「…あいつなりの愛情表現だったんだろうな…」
「…そうだな」
「…時間が経てばきっとィィ思い出になるよな…」
「…そう願うよ」
再び口を閉じて歩く。
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