男が立ち去り、部屋に俺達だけになると、女が口を開いた。
「私がこれから話す事は内密にお願いします。
…実は、次期当主として、統率力及びこれからの組の筋路を学ばせて戴きたく…噂では、法に触れることはしないと聞きましたので…」
女はボスの目をみて話す。
「…気に入った。
良いだろう。…奏真、組について教えてあげなさい。よければ、気のすむまでここで暮らすといい」
「ありがとうございます」
「俺は、琳果 攸真(りんか ゆうま)という。息子の奏真だ」
俺は頭を下げ、挨拶をする。
「…よろしく」
女は微笑んだ。
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