「父さん、入るよ?」
奏真は慧斗をつれ、中に入る。
中ではソファにゆったりと座る悠真。
「待っていたよ」
悠真は二人がくるのをわかっていた風な口調だった。
「ご要望通りに」
それだけで、伝わる。
今のこの部屋はきっと、氷点下だろう。
「悠真様、父とご友人だったとか…」
慧斗が口を開く。
「ああ」
「さぞ、もどかしいでしょう?
ですが、これでも私は次期当主。組を背負う今、これが最良の選択だと思っています。
……今は」
慧斗は頭を下げた。
「ほんと、あいつに似ているね。
俺は、穣と普通の友達でいたかったよ」
悲しい笑顔を浮かべる。
「俺も慧斗と、最高のダチでいたかった」
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