空には数多の星と細い月。
「…遠いなぁ」
小さすぎる慧斗の呟きは、空だけが聞き留めた。
「……慧斗」
縁側で空を眺める慧斗に声をかけたのは、奏真だった。
「……奏真」
互いを見つめ合う。否。互いを探り合う。
先に眼を逸らしたのは慧斗だった。
「きっと、同じ事だろうね」
慧斗が口を開いた。
「そうだな。時間もない。だが、大切な奴もいる」
奏真も口を開いた。
「既に決まっている道。頭ではわかっていても心がついていけない」
「同じだな…
うまく、やっていけそうだよ」
「そうだね。
悲しいけど、それが定め」
奏真と慧斗は悲しい笑顔を浮かべた。
次いで、ギシッと足音が聞こえると、二人はキスをした。悲しいキス…。
「おや、こりゃ失礼」
和が頭を下げて迂回した。
「待って」
奏真が和を引き留める。
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