−慧斗−


「「「おはようございます

慧斗様!!」」」

朝慧斗が自室から舎弟達の集まる居間に入ると、大音量で挨拶をされる。

「おはよう」

挨拶を返す。

私は自分の席に着くと、世話役の春都(はると)が声をかけてくる。

「おはようございます。
昨日はよく眠れましたか?」

「うん。ありがとう。
…今日なんかあるの?」

「えっ?なにもないですよ」
「嘘。だって春都わかりやすいもん」

「……マジっすカ…?」

黙り込む春都。春都は私よりも五歳年上。私が十七歳だから、春都は二十一歳。それなりにかっこいい。


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