「それって無視じゃない!?」

「…は?」


可笑しいんじゃないんだろうか?

少し心配になってくる。

「『あ、宇佐見』くらい返してくれてもよくない?」

「あ、宇佐見。これでいーのねバイバイ」


あたしはそう言って

階段を駆け降りた。


後ろからまだ声が聞こえる。

「俺の事は蓮華って呼んでねーッ!!」


死んでも呼ぶか。

そう思いながら

桜の間へと入って行った。