俺様王子と秘密の時間



は……はーちゃん!

あたしの目に映るのはなんとも不機嫌オーラ全開のはーちゃんの姿だった。



「はーちゃんだ……」

「はーちゃん?」

「さっき電話で言った友達」


あたしたちはコショコショと話していた。


はーちゃんは何がそんなに嫌なのか相変わらず不機嫌な顔で、佐久間くんはポーカーフェイスを崩さない。


無言、無言、無言。

はーちゃんも佐久間くんも無言を続けていて、ひたすら手を動かしていた。



でもあたしはさっきから違和感を感じていたんだ。

それは自分自身に。

胸の辺りが熱いというか、感触を感じるというか……。


あたしは自分の胸に目をやった。

大きな手があたしの胸を掴んでる。

そう、違和感の正体はこんな感じに掴まれてるみたいな……て。



「きゃ……」


きゃあああああああああああああああああああああ!