俺様王子と秘密の時間



突然、手首を掴まれた。

え……?



「なぁにやってんだよ?」


きゃああああああ。

寝ていたハズの千秋がパチっと瞼を開けてニヤリと笑った。



「ち……ちちち千秋!」


な、なんでぇえええ?

寝てたんじゃないの?



「お前、イタズラしよとしたろ?」


千秋は手首を掴んだまま意地悪な笑みをたっぷり含んであたしを見た。

ひぃいいいいいい。

ごめんなさいぃ!



「ななななんで?起きてるの?」


口をパクパクして動揺するあたしを見て、千秋は「フフン」と笑う。

ううううううぅ。



「お前、オレの顔突っついたろ?」


あ…………。



「そん時、起きたんだよ」


髪の毛を触りながらそう言うと、千秋はあたしの手首を自分の方へグイっと引き寄せた。