目の前には腕を組んだ国語教師兼、担任の西山先生が物凄い形相であたしを見下ろしていた。


きゃあああああ!

あたしったらついボケっと……。

西山先生は学年で一番怖いと言われる男の先生で、見た目はゴリラみたいなんだ。


クラスのみんなは「あーあー」って顔を浮かべながらあたしを見ている。



「お前、俺の授業聞いてたのか?」

「は……はい!もちろ……」


って……きゃぁああああ。

手にしていた教科書は数学。

ううううう……。



「気を抜くなっ!」

「すみません……」


西山先生は国語の教科書を丸めてあたしの頭をパコンっと叩いた。


前の席の羽鳥がクスッと笑った。