長い睫毛、無造作にセットされている色素の薄い茶色い髪の毛、綺麗な形をしたピンク色の唇――。
まるで外人のようなブラウンの瞳の中に、目をまん丸にして驚くあたしのマヌケ面が映りこんでいた。
――ふわぁって、甘い香りがあたしの鼻を優しく撫でる。
距離にして、約5センチ。
あたしは目の前に居る人物が誰なのか理解するのに時間がかかった。
“彼”の長い両足の間にすっぽり収まっていたあたしは、ぺたんと手をついたままフリーズしてしまった。
「覗きなんて悪趣味だぜ?シイナちゃん――?」
またもやあたしの耳元でそっと囁き、口元に人差し指を立てて、ぱちっとウインク。
ヒッ………!


