んんんんん――っ!
くッ、苦しいいい!
あたしの口は今、背後から来た何者かの手によって塞がれている。
大きくて柔らかい手。
耳元でしっーと囁かれたと同時に、フゥと息がかかるのを感じた。
ひゃああああああ。
な……なんなのっ?
「誰もいねぇじゃん」
「あれ?でもさっき確かに……」
おそらく中に居た男女が出てきたのだろう。
しかし姿は確認出来ない。
あたしは見つかる寸前に、何者かによって教壇の下にズズズと引きずられるようにして救われた。
狭い教壇の下で密着する身体。
あたし……どーなってんの?
なんだか、堅い胸板のような部分があたしの頭にフィットしているような……。
あたしは出来るだけ音を立てないようにクルリと身体を後ろに回した。


