「きゃあっ……」


わずかに口から漏れてしまった声は自分でも驚くほどちっぽけなモノだった。

なんなの、コイツ……。

ほんとはビックリして大声をあげそうになったけど、後ろから伸びてきた手で阻止されたんだ。




んんん――――!

苦しいいいいっ。

こういうこと、ほんのちょっと前にもなかったっけ?



「誰にも見つからなかったか?」


王子はあたしを解放すると、顔を傾けて聞いた。

涼しい顔しちゃって。

ムカつくヤツ………。



「はぁ……はぁ……」


やっと息が出来た。

そんなアイツはハァハァ言ってるあたしを見て面白いモノでも見たように笑ったんだ。