俺様王子と秘密の時間



あれは忘れもしない入学式の朝。


ちゃんと目覚ましセットしたのに、あたしはこの日を楽しみにしていて、前日まったく眠れなかったんだ。

遅刻寸前で焦ってて、あたしは前なんて見ないで全力疾走。



正門前に着いたところで、小石一つナイ地面であたしは、どてーんと派手にコケた……。



その時、



「ぷっ、だっせぇ」


って声が後ろで聞こえた。

それがアイツだ。

しかも……



「白かよ、色気ねぇな」


って……!

かあああああああ――!

アイツは「ぷっ」なんてバカにするように鼻で笑うから、あたしはゆでダコみたいに真っ赤になりながらその場から逃げたの。



「アイツ……あたしのパンツ見たんだよおおおぉ!しかも、超ーー冷ややかな目で!」


あたしはあの時のムカムカを羽鳥たちにぶちまけた。



あの日以来、あたしは王子様なんて呼ばれてるアイツがメチャクチャ嫌いになったのだ。