俺様王子と秘密の時間



「泣くなよ」

「だって……」

「口、塞がれてぇの?」

「むっ……」


あたしは唇を尖らせて顔を上げると、千秋は顎をちょっと突きだしていつもの涼しげな顔をしていた。



「そんな目で見つめて、オレにどうしてほしいの?」


なんて言うからあたしも反撃してやろうと思った。

毎回やられっぱなしは嫌だもん。



「……ねえ、千秋」

「ん?」


千秋がそう粒やいた瞬間、あたしは千秋の首に腕を回して思い切り引き寄せると、精一杯背伸びして、触れるようなキスをした……。




「……好き、大好き……」


唇を離して、

あたしの気持ちをやっと伝えた。

一番大事なこと。

“好き”っていう気持ち。


千秋は一瞬だけ驚いた瞳をしたけれど「フッ」と笑みをこぼした。



「オレをその気にさせやがって。このまま襲っちまうぞ?」