何度も何度も角度を変えてついばむようなキスを落とす千秋に、あたしは抵抗をやめた。
「……んんっ……」
次第に深さを増してゆくキスに、あたしは必死に応えた。
そして唇を離すと、艶っぽい瞳であたしを真っ直ぐに見つめる。
そのブラウンの瞳も
抱きしめてくれる腕も
溶ろけるようなキスも
千秋の全てが好き――。
伏し目がちな表情で、あたしの頬を両手で包みこむと、千秋はそっと口を開いた。
「あの日からオレが欲しいのはお前だけだ。誰にも渡さねぇ……。お前の全部をもらう」
そう言った千秋は、林檎みたいに真っ赤になるあたしの頬を優しく撫でてくれた。
胸の奥が疼いて、鼓動が高まる。
だんだん千秋の顔が滲んで見えてきた。
それは、溢れた涙のせい。


